家具の豆知識1 -日本の家具産地

■家具とは

 

家財道具の内で家の中に据え置いて利用する、または元から家に作り付けられている大型の道具類を称して家具といいます。古代エジプトでは、のこぎりが発明され、加工技術が著しい進歩を遂げ、獅子脚の椅子や机など、極めて高度な家具が生まれました。

■概要

・家具の殆どは木製です。伝統的な桐(きり)だんすで代表されますが最近その生産量が減少し、意匠もまた洋家具に近づいてきた為、外観上の両者の差は次第に少なくなってきています。

・木製家具のメーカーは、洋家具の箱物と脚物の三つの分類により、ほぼ区分され二つを同時に生産するところは少ないです。
衣装収納用家具の材質として、湿度の高い日本では湿気を吸収し、燃えにくい桐が最高級の素材とされています。

・日本の伝統では結婚の際、新婦が嫁入り道具を持参するという風習がありますが、その最も代表的な物がが『家具』です。

■家具の種類

□収納家具

 

家財道具や服飾品、食品などを整理して収納するための家具。
収納を基本の目的とするが、中には収納物を展示・陳列する事を目的とするものもあります。 収納用家具のほとんどは箱型をしており、箪笥、類衣装箪笥、茶箪笥など衣類や小物を保管するために用いります。引き出しや開き戸を持っており、収納物を埃や害虫などから防ぐ構造になっています。この他には、棚類本棚、戸棚、食器棚、下駄箱など。収納することで屋内をよりすっきりとスタイリッシュな空間作りを演出できます。

□日本の伝統的な家具

 

桐箪笥(きりたんす)、 葛籠(つづら)、行李(こうり)障子(しょうじ)

■空間創造家具

 

一定の空間を床面から切り離し、床より高い位置に確保する事が目的の家具。
日本では、玄関に履物を脱ぎ、家の外と中を分離する文化が当たり前となっていますが、その風習のない国では、室内といえ、床面は地面の延長線上にあると考えられています。床面に直接座る事は地面に座る事と同じになる為、床面から一定の高さを保った空間を作り出すことがセオリーです。

 

様々な作業を行う場合にも作業空間から床面は一定の高さにあった方が作業効率が上がる為、多少の高さは作業空間を作り出すときも必要になります。そのため空間創造家具のほとんどは、長い脚の上に一定の広さを持ち水平面を有するのが特徴です。

  • ・椅子類- 椅子、ソファー、座椅子など、人が座る空間を作り出す家具。
  • ・机類- 机、テーブル、座卓、箱膳、電話台、等、執筆作業や食事など、各種作業が効率よく行える作業空間と高さを作り出すための家具。
  • ・寝具- ベッドなど、人が寝る空間を作るための家具。
  • ・衝立、間仕切り、屏風

■家具の単位

 

古い箪笥の多くには、棹で担いで運んでいた為、両側に棹通しの金具が付いており、一棹、二棹と数えるようになったのが始まりです。現在は棹は徐々に姿を消す存在となり、縦長の下駄箱など、 縦長の物は本で数えられることもあります。現在では、幅の単位に尺が用いられる事が多いです。

■法令に定める家具

  • ・減価償却資産の耐用年数等に関する大蔵省令に定める家具
  • ・児童用机及び椅子
  • ・陳列だな及び陳列ケース
  • ・事務机、事務いす及びキャビネット
  • ・応接セット
  • ・ベッド

■国等による環境物品等の調達の推進等に関するグリーン購入法に定める家具

  • ・収納用什器(棚以外)
  • ・掲示板
  • ・黒板
  • ・ホワイトボード
  • ・ローパーティション
  • ・コートハンガー
  • ・傘立て
  • ・椅子
  • ・机
  • ・棚

 

これらのものを国が購入する際は、環境負荷の少ない製品を購入することが義務づけられています(但し、国以外の地方公共団体、事業所、国民には努力義務となっています)。

■日本の家具産地

 

家具の多くは木製で造られている為、代表的な家具産地のほとんどが木材の産地でもあります。

□旭川家具(北海道旭川市)

 

北海道開拓を目的として、明治時代末期に本州より多くの大工や家具職人が旭川周辺に移住したのが始まり。
豊富な森林資源を背景に、戦後、木材の機械乾燥が普及したために材料の品質が安定しました。そのおかげで旭川市は日本を代表する家具産地へと発展しました。外国でも高い評価を受けています。デザイン性を重視した大型の洋風家具を主に生産しています。

旭川の家具企業- 匠工芸、札幌ファニシング、アーリータイムス、カンディハウス、大雪木工

□静岡家具(静岡県)

 

静岡市、島田市、焼津市、藤枝市を中心に、静岡県内には家具製造会社が数多くあります。その基礎は徳川家光が静岡浅間神社の大造営を行った際、各地より移住してきた職人たちでした。漆塗りの技法を生かした鏡台や茶箪笥の産地として古くから知れ渡っており、桐箪笥の産地でもあります。現在は唐木仏壇の産地としても知られています。

 

静岡の家具企業- 起立木工、西村木工、東海家具工業

□飛騨家具(岐阜県高山市)

 

豊富に存在するブナ材の有効活用を目指し、大正時代、地元の有志の出資により「中央木工株式会社」を設立したのが基礎となりました。曲げわっぱの技法を用いた独特の曲げ木加工で椅子を製造したのが始まりで、特別な技法で作られる椅子やテーブル、机などの脚を持った家具を得意としています。

 

飛騨の家具企業- シラカワ、イバタインテリア、飛騨産業、柏木工、日進木工、

□府中家具(広島県府中市)

 

内山円三が1710年前後、大阪にて箪笥の製造技術を習得、その技術を故郷へ持ち帰り生産を始めたのがはじまりと言われています。府中市は戦後、婚礼家具セットと銘打ち家具のセット販売を日本で初めて行うなど、販売面での工夫でも有名です。現在も、箪笥を初めとした収納家具の生産を得意としています。

□徳島家具(徳島県徳島市)

 

明治時代初期、阿波藩の船大工だった職人達が家具製造も開始したのが始まりです。明治中期に鏡台が関西地区でたいへん人気となり、阿波鏡台の名で全国に知られるようになりました。現在は高級唐木仏壇の産地としても知られています。

□大川家具(福岡県大川市)

 

筑後川周辺の船大工が製造していた箱物が元祖といわれており、大川家具は室町時代まで遡る事ができると言われるほどの歴史を持っています。現在は量産家具の製造会社が多く、多種多様な家具を製造しています。生産高日本一を誇る会社です。

 
 

大川の家具企業- 株式会社総桐箪笥和光、園田産業、ファニテリアマキ、自然工房、福山木工、
丸仙工業、

▼その他の家具の豆知識へ

▼各お買取りページへ