金は常に価値のあるものとして存在していますが、価値の度合いはその時々で変化します。
金そのものの存在に変わりはないのに、どうして価格は変化するのでしょうか。金の価格が変化する理由は、幾つか挙げられます。
経済成長の真っただ中にいる国は、自国内の資産が増えていきます。アメリカ経済の先行き不安が生じたことで、ドル資産から資産の分散が起こり、一部が金にシフトしているといわれています。
BRICsの中でも、順調な経済成長を続けているインド、中国は、外貨準備高を増やし続けています。
もともと金を好む国民性であったことも関係して、インド、中国では金準備に力が入れられているのでしょう。
これらの国がこの先も順調に経済発展へと向かっていけば、国、国民単位での金保有量の増加が予想されます。このように、経済発展が注目されている国々のこれからの経済状況動向は、金価格変動の大きな要因となります。
有事の金という言葉があるように、金は戦争が起こるたびに高騰を繰り返します。冷戦時代の1979年頃は、紛争が相次いだことで金価格が上昇しました。その後、メキシコ債務危機などによって国際的に緊張が高まったタイミングでも、金属や原油などの資源価格は上昇します。
この頃、「有事の金」という言葉も誕生しました。東西冷戦が幕を閉じ国際緊張が緩和する中、発生したのが湾岸戦争です。湾岸戦争では、米軍が圧倒的な軍事力によって瞬時に決着をつけましたが、これに金価格が反応しなかったため、この出来事をきっかけに「有事のドル」といわれるようになりました。
ところが、2001年に発生したアメリカ同時多発テロによって証券市場の機能が一時的に停止したことで、再び「有事の金」と呼ばれるようになりました。過去の歴史から、紛争やテロは金価格変動の大きな要因になることが分かります。
経済や社会の動き以外で、ものの価格を左右する要素を挙げるとすれば、需要と供給の関係が思い浮かびます。金も私たちが普段目にしている食品や日用品のように、需要と供給のバランスによって価格が左右されます。需要の高まりは、商品の人気上昇、関連商品の価格変化などによって起こります。
金においては、供給量が需要に大きな影響を及ぼすことが考えられます。実際に2010年頃には、採掘条件の悪化や高山ストライキの発生によって南アフリカでの金の供給量減少が起こっています。その一方で、中国やその他の一部の国では金の供給が増えています。
もし、供給量が減少して金の希少性が高まると、金価格は上昇します。反対に、供給量が増加すれば、金価格は低下するのが自然な流れです。近年の新産金は、横ばいあるいは緩やかな減少傾向にあるため、金買取の見通しも立てやすいのではないでしょうか。
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