ブランド時計の豆知識

♦クォーツ時計のはじまり

 世界初のクォーツ時計は1969年に日本の時計メーカーであるセイコーから発売されました。
お手頃な価格の上に正確な時間を刻むこのクォーツ時計の発売は、機械式高級時計の製造で有名なスイスの時計産業に膨大な影響を与えました。この影響のため、スイス時計メーカーの数多くは事業縮小や倒産に追い込まれました。メーカーによってはやむなくクォーツ時計製造への転換を余儀なくされました。現在、世界の時計製造の9割以上はクォーツ時計です。高価な高級機械式時計の製造は1割以下ということになります。

♦ブランド腕時計のはじまり

 高級時計といえば、スイス製機械式時計があたまに浮かびます。オメガ、タグ・ホイヤー、ブライトリング、などの数多くの有名時計ブランドはスイスが発祥の地となりました。ところが世界で最も有名なロレックスは1905年にドイツ生まれのハンス・ウィルスドルフによりロンドンでウィルスドルフ&デイビスという社名で創業されました。後にスイスのジュネーヴへ社名をモントレ・ロレックス (Montres Rolex S.A.)へ変更し本社を移しました。その他、もとは宝飾ブランドであるカルティエはフランス、そしてブルガリはイタリアのブランドです。

♦サファイア風防

 時計の風防に使用されているのものは、サファイアガラス製、プラスチック製、ミネラルガラス製の3種類があります。殆どの高級ブランド機械式時計にはサファイアガラスが使われています。そのサファイアガラスは日本国内で生産されています。

 

 サファイアガラスは合成サファイアで作られている無色透明のガラスです。合成サファイア並びに、合成石は天然宝石と同じ化学組成と結晶構造をもった石なので色、光沢、硬度、密度、光の屈折率、などの性質も天然石と同じです。合成にあたり、不純物の種類や量の配合により結晶の成長条件を操作し天然石よりも色鮮やかなものや透明度の高いものを作ることが可能です。サファイアは青を意味する言葉ですが無色透明のものはホワイト・サファイアと呼ばれます。このホワイト・サファイアはダイアモンドの次に硬い硬度を持ちダイアモンドのイミテーションに使われることもありますが、合成ホワイト・サファイアの需要は工業的用途にあります。時計の風防以外にレコードの針などにも使用されています。

 

 サファイアガラスは加工が難しく品質管理がとても困難なガラスです。世界で使われているサファイア風防の5割は日本のメーカー製造しています。風防用の円盤状にするために棒状の合成サファイアを均一にスライスできる特殊な技術を持つメーカーは世界に数社しか存在しないと言われ、その数少ない業者の1つが日本のメーカーということになります。このサファイア風防の他に、機械式時計に無くてはならないヒゲゼンマイというパーツは、専門メーカーのスイスのニヴァロック社と日本のセイコーのみで製造されています。

 

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